澎湃新聞は2月20日、アジア最大規模の航空ショーであるシンガポールエアショーの開幕当日に、チベット航空が中国商用飛機(COMAC)に対し、中国製の大型旅客機「C919」の高原型40機と「ARJ21」の高原型10機を発注したと伝えた。さらに河南航投もCOMACに対し、ARJ21の消火機、医療機、緊急救援指揮機 を計6機発注した。
チベット航空は今回の計50機の注文について、「世界初の中国製高原型機の注文であるほか、中国で民間の大型機の製造技術が『高高原』の環境で通常運航を果たす足がかりとなるもの」と表明している。
中国の民間航空当局は、海抜1500メートル以上の空港を「高原空港」、同2438メートル以上の空港を「高高原空港」と呼んでいる。「高高原空港」は一般の空港より運航がはるかに困難である(天候、地形、気圧、職員の高山病などの要因あり)ことから、離発着する航空機は特殊な性能を備えた高原型のものに限定している。現在、世界的に公認された「中国製」の高原型機は存在しない。
今回、高原型の大型機を発注したチベット航空は、実は製造事業にも乗り出している。
チベット航空によると、2023年12月に上海でCOMACと、C919とARJ-21の高原型機の共同開発に向けてパートナー協定を結んだ。中国で最初に高地で運航する航空会社となったチベット航空は、チベット自治区、雲南省、青海省などの高原や「高高原」を結ぶ路線が多く、かなりのシェアを抱えている。10年以上にわたる「高高原」路線の運航で、飛行の安全性について大量のデータや経験を蓄積しており、これらすべてを高原型大型機の製造に活用していく。
今回のシンガポールエアショーは、中国東方航空のC919も含め、COMAC製の機体5機が初めて海外で披露された場となった。C919は国際耐空規格に適合した中国初の大型国産旅客機で、独自の知的財産権を有するジェット式幹線機であり、通路が中央に1本のナロータイプで、定員は158~168人、飛行距離は4075~5555キロメートルである。
C919は今年、生産体制を拡大し、納入も急ぐ見込みである。先ごろは複数の航空会社が相次いで国産大型機を導入する予定と表明している。
(中国経済新聞)