中国家電大手の美的集団は、2024年1月17日、株価が0.54%上昇の57.23元(約1178円/株)となった。今回の株価上昇により、時価総額は4000億元(約8兆2300億円)を回復し、4022億元(約8兆2800億円)に達した。
美的集団は、2023年12月には株価が一時48.75元/株(約1,003円/株)まで下落し、時価総額も3,500億元(約7.2兆円)を割り込むなど低迷していた。同社の会長兼社長である方洪波氏は年次総会で、「美的集団が過去最高益を記録。2024年には効率性の向上と構造的成長、バリューチェーン全体のアップグレードに努め、特に海外市場における第二の本拠地構築と自社ブランド戦略の強化に注力する」と述べた。
グローバル化戦略を進めるため、美的集団はH株を発行し、香港に上場する準備を進めている。2023年第1~3四半期の売上高は、前年同期比7.67%増の2,911億元(約5兆9,900億円)、純利益は13.27%増の277億1,700万元(約5,703億6,000万円)となり、過去最高を記録。海外市場での売上高は全体の40%以上を占めた。
美的集団は、中国国内市場で23.1%の市場シェアを有しており、海外市場でシェア率が増える可能性は依然として大きい。可処分所得水準と都市化率が世界的に、特に新興市場で上昇するにつれて、世界の家電市場はさらに成長すると予想される。
美的集団の海外OBM事業の売上高は、2022年に初めて海外スマートホーム事業の40%を超え、現在は、東芝、美的集団、Comfee(コンフィー)の3社が優位を占めている。美的集団は、グローバル戦略を加速させ、地域化された製品設計と世界的ブランドの構築を強化することで、OBM事業の売上高比率を高める計画だ。さらにブラジル、エジプト、メキシコなどで生産拠点を建設し、海外買収も積極的に行うとしている。
しかし、美的集団などの白物家電メーカーは、2024年も挑戦の年になりそうだ。天鳳証券が1月12日に発表した調査報告書によると、2024年の不動産竣工面積が前月に比べ減少するこにより、中国国内の売上高にさらなる圧力がかかる可能性があるのではと懸念される。
(中国経済新聞)