子供たちのために朝食を売るおばあちゃん、赤字経営でも値上げせず

2023/12/26 20:30

浙江省衢州市黄壇口郷に住む毛師花(マオ・シファ)さんは、親しみを込めて皆から「朝食おばあちゃん」と呼ばれている。彼女は、30年近く少ない年金で、朝食を売る屋台を切り盛りし、山間部の子供たちが栄養価の高い朝食を安く食べられるように、1品50毛(約10円)の値段で売ってきた。

その姿が中国の大手動画共有サービス・ビリビリで配信され、413万1000回再生され、多くの反響が寄せられている。

その屋台は、黄壇口小学校のすぐ近くにある。マオおばあちゃんは、インタビューに対し「少しの年金で、商売にならない商売をしていると私のことを愚かだと言う人もいるけれど、貧しい家庭の子供たちが、お腹いっぱい食べられるよう価格は上げない。子供たちが私のことをおばあちゃんと呼んでくれるだけで、とても幸せ」だと話した。

夜中の1時頃になると、マオおばあちゃんの小屋に明かりが灯り、鍋から煙が立ち上る。30年近く、マオおばちゃんは深夜に起き、薄明りの中で大豆を挽き、豆乳を作り、そして米粉で作ったお餅を準備した。そして、子供たちのために、毎日6時間以上働き、利益は約30元(約600~800円)、毎月300~400元(約6,000~7,000円)の補助金を受けていたが赤字経営が続いていた。

2019年、ついに衢州市衆合幇公益サービスセンターは「1元(約20円)愛の朝食店」を設立。毎日午前7時から8時半まで、1元(約20円)の朝食を20~30食、老人や子供たちに提供している。

今年の冬、マオおばあちゃんは天国へと旅立った。その大きな愛と温かい思いやりは、今でも子供たちの大きな支えとなっている。

(中国経済新聞)