中国国家統計局によると、2022年の国民1人当たり可処分所得は36883元(約74.7万円)で、前年と比べて名目上で5.0%プラス、物価の変動要因を除いた実質成長率は2.9%であった。このうち財産所得分が8.7%にあたる3227元(約66378円)で、4.9%の伸びとなっている。
財産所得とは、動産・不動産、もしくはそれらを他の組織や団体または個人に利用させて諸費用を控除して得た所得を指す。
財産所得は、預金利息、有価証券配当、貯蓄性保険投資、その他株の利息や配当など、まだ財産所得全体の配当や他の動産所得、および土地経営権の貸し出し、不動産の賃貸や譲渡、その他不動産所得などがある。
中国国家統計局発行の「中国統計年鑑2023」における地域別1人あたり可処分所得(2022)を見ると、去年は北京市、上海市、浙江省、広東省、江蘇省、福建省、天津市の7地域が中国全体の平均を上回り、このうち北京市と上海市が1万元(20万円)以上、浙江省はそれに次ぐ3位だった。
アモイ大学経済学部の丁長発准教授によると、上位7地域は住民の懐が豊かで、株や債券、保険、財テク商品に手を出し、これらの収益がかなり多いという。また経済水準が高くて都市化が進んでおり、住宅の賃貸による財産を手に入れやすくなっている。同じ物件でも北京市、上海市、広州市、深セン市、アモイ市、杭州市は、小規模な街より大きな差があり、賃貸による所得も随分と開きがある。
浙江省は去年、1人当たりの財産所得が7397元(約14.98万円)で地域別3位であった。丁准教授は、「浙江省は現在、民間経済や県部の経済がかなり発達しており、1人あたり所得も多く、その所得を株や不動産などにつぎ込んで動産・不動産の収益を得る人が多い」と述べている。また、浙江省などでは投資意欲も強く、財産的な所得もやや多めとなっている。
(中国経済新聞)