恒大物業が親会社で中国の不動産開発大手・中国恒大集団を提訴

2023/11/30 11:30

中国の不動産開発大手・中国恒大集団傘下の「恒大物業」はこのほど、親会社の中国恒大集団とその他の責任者を法廷に提訴した。訴訟の背景には、「恒大物業」の約134億元(約2768億円)の預金担保権が関係する銀行によって強制執行されたことにある。訴訟の対象となっているのは、深セン啓航金属材料有限公司、貴州広聚源不動産開発有限公司、恒大不動産集団貴陽置業有限公司、恒大不動産集団有限公司、中国恒大集団。「恒大物業」は、これらの責任者に対し、元本約19億9,600万元(約412億円)と仮利息約1億5,000万元(約31億円)の合計21億4,600万元(約443億円)の返済を求めている。同社は2023年11月28日に広州中級人民法院から訴訟の提起を正式に受理する通知を受け取っている。

今回の背景には、「恒大物業」の子会社6社が2020年12月28日から2021年8月2日まで、銀行8行を通じて第三者融資のための保証金を提供し、これらの資金が最終的に恒大グループに流れ込んだことがある。これらの資金は、もともと「恒大物業」の上場により調達した資金であったが、特別口座を設けていなかったため、自己資金と混ぜて日常業務に充てられ、その結果、資産の特定ができなかった。

2023年8月17日、一部メディアは「恒大集団」がマンハッタンの連邦破産裁判所に債権者保護を申請したと報じた。その後、「恒大集団」は8月18日午後、香港と英領バージン諸島の法制度に基づく債務再編協定の承認申請を行い、海外債務再編を計画通り進めていると発表。10月20日、恒大集団は同社の現状と債権者の要求に合うよう、再建案を修正するためにアドバイザーや債権者と交渉している発表した。 このため、当初2023年10月25日に予定されていたニューヨーク南部地区連邦破産裁判所における審問は延期された。

(中国経済新聞)