人命救助で川に飛び込んだ男性が死亡 16年前には息子が川で溺死

2023/11/4 14:30

広東省珠海市は10月31日、川に飛び込んだ人を助けようとして死亡した曽維竜さんに対し、金一封として10万元(約206万円)と見舞金の100万元(約2066万円)を支給した。

10月17日17時ごろ、仕事を終えた曽さんは車で南屏鋼便橋を渡っていた際、若い男性が南屏大橋から欄干を越えて川に飛び込んだのを目撃した。曽さんはすぐに車を道端に停め、同じく救助しようとしていた配達員の雛立彬さんに携帯電話と財布を渡し、服も脱がずに橋の中ほどで欄干を越えて川に飛び込み、男性めがけて泳いでいった。

また、財布と携帯電話を渡された雛さんは川岸で浮き輪を見つけ、それを身に着けて川に飛び込み、すでに流されていた曽さんら2人に向かって泳いでいった。

しかし曽さんは、雛さんがあと5メートルほどまで近づいた時に沈んでしまった。雛さんはその近くから足で水中をつついてみたが、2人の身体に触れることはできず、2人とも水面に浮かぶことはなかった。

この日23時ごろ、南屏鋼便橋の近くで珠海のレスキュー隊により2人の遺体が発見された。家族の立ち合いにより、曽さんと、若い男性が張さんであることが確認された。

曽さんは、珠海で妻とともに3人の子供を育てており、一番下はまだ小学生である。今年の国慶節連休には80歳の誕生日を迎えた母親を見舞った。曽さん実は、16年前に一番上の子供が故郷の川で水死しており、もともと泳ぎは得意だったがその後は川で遊泳をしなくなった。そして今回、人命救助のため川に飛び込んだが、帰らぬ人となってしまった。

曽さんに続いて川に飛び込んだ雛さんも、人命救助に加わったことで金一封として1万元(約20.6万円)が支給された。

(中国経済新聞)