春節を前に花の取引が最盛期 中国・昆明「アジアの花都」斗南

2026/02/5 12:15

世界有数の花卉(かき)生産地として知られる中国・雲南省。省都・昆明市にある斗南(とうなん)鎮は「アジアの花都」と呼ばれ、アジア最大、世界でも第2位の規模を誇る切り花取引市場を有している。中国の花卉市場における「風向計」や「価格の指標」とされるこの地では、春節(旧正月)を前に、一年で最も活気に満ちた販売シーズンを迎えている。

斗南の昆明国際花卉オークション取引センターでは、最近、1日あたりおよそ400万本の切り花が取引されている。春節向けの「年宵花(ねんしょうか)」は全国各地へと出荷され、華やかな花々が新春の喜びを演出している。

今年の年宵花市場では、新品種の花卉が消費者の注目を集めている。さまざまな色のバラや大輪のアジサイ、鮮やかな胡蝶蘭に加え、国内で育成された「中国風」月季(バラの一種)が人気だ。中国的な美意識と伝統的な祝祭文化を融合させたこれらの花は、春節の雰囲気にふさわしい存在として支持を広げている。

また、インターネット通販の普及も、雲南の花卉産業を後押ししている。低温輸送を中心とした物流体制の整備により、産地で収穫された花々は迅速に全国の消費者のもとへ届けられるようになった。

大手通販プラットフォームの生花調達担当マネージャー、陳龍龍(ちん・りゅうりゅう)氏によると、同社は今年、雲南省楚雄イ族自治州禄豊市のチューリップ栽培基地と大規模な買い取り契約を締結した。さらに、系列の物流会社が産地に専用の倉庫を設置し、「産地一括契約・直送モデル」を導入。その結果、チューリップの販売価格を70%以上引き下げることに成功したという。

陳氏は「消費者の注文を受けてから、倉庫内で直接出荷することで、生産コストを抑えつつ流通効率を高めています。航空便と低温輸送を組み合わせることで、翌日配送も実現しています」と話す。チューリップの販売開始以降、同社では週に40万本を仕入れており、これは実店舗100店分の年間仕入れ量に相当する規模だという。

花卉産業の拡大と流通体制の整備により、これまで高価格帯とされてきた「花のある暮らし」は、より身近なものになりつつある。昆明斗南農産物オークション会社の副総経理、曹陽(そう・よう)氏は、「近年は『自分の気持ちを満たす』いわゆる“悦己(えっき)消費”が広がり、花の需要は着実に増えています」と指摘する。

曹氏によると、収穫後の処理技術が進歩したことで、切り花の鑑賞期間は大幅に延び、価格も一般消費者が手に取りやすい水準になった。そのため、造花や装飾用の花よりも、生花を選ぶ人が増えているという。

年末年始、花は家庭に春の気配をもたらし、縁起の良い意味を持つ年宵花は、新しい一年への願いを託す存在となっている。

市民の陳さんは「ヒマワリを買いました。新しい一年、仕事がさらに前進することを願っています」と話す。金さんは「赤い銀柳はとてもおめでたく、家に飾ると一気にお正月らしくなります。願いは、健康で、物事が順調に進むことです」と笑顔を見せた。

色とりどりの花に包まれた斗南の市場には、新春への期待と人々の素朴な願いが、静かに、そして力強く咲き誇っている。

(中国経済新聞)