アリババ、開放型の研究機関「羅漢堂」の閉鎖に対する風評に反応

2023/10/10 13:30

アリババが自社の研究機関「羅漢堂」を閉鎖することに対し、「社会問題への関心が薄れている」との風評が出ている。これについてアリババの担当者は、「デジタル経済のイノベーションへの取り組みに何ら変わりはない」と否定するコメントを発している。

この担当者は、「『1+6+N』という組織改革を進めている今、羅漢堂の組織関係やメンバー構成、活動の重点を見直し、デジタル経済の研究や羅漢堂の研究体制は羅漢デジタル経済研究院が受け継ぎ、羅漢堂自体は存続する」と強調した。新たなメンバーや活動について、急ピッチで手はずを整えているという。

羅漢堂は、アリババが提唱し、社会科学における世界の優れた学者が手を組んで2018年6月26日に浙江省杭州で発足した、開放型の研究機関である。第一期の学術委員会は経済学者を中心に15人で、うち7人がノーベル経済学賞の受賞者であった。

羅漢堂の総裁を務めていた陳竜氏は、かつて長江商学院の副院長であり、2014年にアントフィナンシャルに入社して戦略部門の責任者となり、2018年から羅漢堂の事業を受け持っていた。

羅漢堂の発足はアリババにとって、経済や社会の課題への前向きな取り組み、およびデジタル経済のさらなる浸透を目指すの戦略の一環であった。アリババを創業する際に「102 年間存続させる」と宣言したジャック・マー氏は、羅漢堂発足の際には「300 年間存続させたい」と述べていた。

(中国経済新聞)