美団、411億円で「光年之外」を買収

2023/07/1 08:30

中国のサービスアプリ・美団は6月29日夜、同社発起人の一人で元会長の王慧文氏が立ち上げ、支配しているAI関連の企業「光年之外科技有限公司」を、およそ2.34億ドル(約339億円)で全権益買収すると発表した。債務の3.67億ドル(約531億円)も合わせて出資額はおよそ20.6億元(411億円)になるという。

王氏は今年2月に、5000万ドル(約724億円)を出資して北京に光年之外を設立したと発表していた。会社の時価は2億ドル(約289億円)という。王氏はまた、中国のOpenAIを目指してAIについて勉強中であるとも表明していた。

光年之外はその後、2.3億ドル(約333億円)の融資を受けたり、株式交換で「一流科技」を買収したりするなど、経営は順調であった。ところが美団は6月25日夜、「健康上の理由」と申し出ていた王氏が、6月26日付で非執行取締役、取締役会人事委員会を辞任すると発表した。

美団は今回の買収にあたり、光年之外が中国トップレベルのAGI(汎用人工知能)開発者であり、グループ(「一流科技」も含む)全体のキャッシュフローはおよそ2.85億ドル(約413億円)であると触れている。

美団は今回の買収で、優れたAGI技術や人材を獲得し、急成長するAI業界で一段と競争力をつけるチャンスが出てくると称している。

消息筋によると、光年之外はここ2か月間、AI分野のオーソリティーや起業者を引き寄せるなど、製品や技術人材を中心としたスタッフ陣を形成し、現在すでに70人前後の規模になっているという。美団はこれらのメンバーに対し、買収後も引き続き大型モデルの探索や研究をサポートしていくと表明している。

(中国経済新聞)