先ごろ、上海交通大学日本研究センターの主催による第6回中日企業イノベーション協力フォーラムが行われ、この中で上海交通大学文科系の有名教授で日本研究センターの主任である季衛東氏が式辞で、「東アジアは今、どこも少子高齢化が進んでおり、またアフターコロナに入っている。こうした中でメタバース+AIなどが社会問題を解決し、経済の再建を進める上での指針となる」と述べた。構造改革をはかるアジア各国の共通項であると言う。
メタバースの普及における中国と日本の違いについて、上海麗昂数字科技のCEOである近衛元(Jin Weiyuan)博氏は、「日本はアニメ、ゲームなどクリエイティブコンテンツに集中している。中国もARなど先進技術があるが、利用の場面は両国で優位性が異なる」と述べた。
メタバースのビジネスモデルについて、NRI上海のアソシエートパートナーである陸成(Lu Cheng)氏は「純メタバース」、「メタバース+」、「+メタバース」に分類し、それぞれVR通販、デザインメディア、工業・都市計画という具合に別々の場面で適していると見ている。
デジタル産業における中日両国の提携について陸氏は、「メタバースに関しては製品、ソフトウェア、コンテンツ、プラットフォームのいずれも補完関係となり得る」と言う。具体的には、プラットフォームについては日本のメリットは知的生産、知能物流、知能介護などB2Bに関する事業やゲームなど特定の分野におけるユーザー体系が、中国は通販、SNS、パンエンターテインメントなどビッグデータやクラウドコンピューティングをベースにしたB2C関連の事業が成長株であるという。
季氏は、中日両国とも第二次人口メリット実現へ取り組んでいる中、交流や提携でメタバースにおいてベストな糸口をつかめるとし、「デジタル経済での提携で現実的な力比べを脱し、対話や連携の強化が見込める」と述べている。
(中国経済新聞)