「通販カーニバル」の618商戦、引き続きGMV離れが進む

2023/06/22 17:45

中国で6月18日まで続いた「618」商戦、コロナ禍を経て初めて迎えた「通販カーニバル」としてかなりの注目を浴びた。

今年は全般的に見て、総合アプリが100億元の補助金策を打ち出し安値での販売に特化していた。

一方、ライブコマースについてはかなり好調であったが、トータルでは総合通販に及ばなかった。さらに今回は、インスタントリテール(即時小売り)も品数を十分に揃え店舗数を増やすなど、かなりの盛り上がりを見せた。

星図数据の最新データによると、2023年5月31日20:00~2023年6月18日24:00の間、総合通販アプリとライブコマースの売上高は計7987億元(約15.7兆円)で、内訳は前者が6143億元(約12.1兆円)、後者が1844億元(約3.63兆円)であった。また新種の小売りアプリは243億元(約4782億円)であった。

今回の618商戦について、各大手が相次ぎ実績を発表した中、GMV(Gross Merchandise Value)離れが進んでいることが浮き彫りになった。京東、タオバオTmall、蘇寧易購、拼多多は売上高を公表せず、概略や売上状況の一部をコメント表記するにとどまっている。

網経社のEコマース研究センター特約研究員である陳虎東氏は、GMVを未公表とした会社が多かった理由について、消費者の購買力が低下した可能性があることをある程度裏付けるものと述べた。また、京東やタオバオTmallなどが「高値購入なら2倍補償」、「価格破壊」と言ったキャンペーンを実施した目的も垣間見えるという。「通販におけるGMV離れは、リアル販売と通販における論議がかなりの理由を占め、また取引量が伸びなかったことも理由と見られる。ただいずれにしてもGMVの意味が薄れたということにはならない」と述べている。

(中国経済新聞)