中国とロシアが今、エネルギー以外の分野で連携を深めている。このところ中国でロシア産のチョコレート、アイスクリーム、小麦粉、はちみつなどが人気を集めており、越境ECを手掛けるO2O通販サイトの「俄優品」で、ロシア産のウオッカやパン、ビスケット、ピクルスなどの売上が多くなっている。
在中国のモルグロフ・ロシア大使は先ごろの取材で、就任以来中国でロシアの食品が人気を博していることを感じ、両国間で連携を強化して農産物の輸出を拡大する期待が見えてきたと述べている。
中国産業海外発展協会の和振偉会長は、ロシアとの貿易について、ロシア産の良質な農産物や食品のほか、自動車やNC加工機を代表とする機械製品、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機を代表とする中国の家電製品がこのところ伸びていると述べた。
自動車については、中国はロシアの大きな輸入相手国となり、2022年の乗用車輸入台数は前年比40%増の約11.7万台であった。ロシアでは2022年の1年間で、中国ブランドの販売店が新たに487店オープンしており、チェリー、吉利、ハヴァル、江淮などが人気車種となっている。
和会長によると、ロシアはウクライナ問題によりドイツ系、アメリカ系、日系の各メーカーが撤退した中、自動車は不可欠な存在であることから中国メーカーが大きな好機を迎えているとのことで、「中国勢は中古車も含め、ガソリン車もEVもロシアで本格的に普及するだろう」と述べている。
また、「母なる機械」と言われるNC加工機についても、コロナ禍前まで長らく日本やドイツに占領されていたロシア市場を中国企業が狙い始めている。「中国製のものは日本製やドイツ製と比べ、性能的には大差なく、工程やサービス面ではまだ開きがある。現在は欧米企業が撤退したことで、中国勢がその穴を埋めることになるのではないか」と和会長は言う。
和会長によると、湖北省武漢のあるNC加工機メーカーが、100%の知的所有権を有した製品についてルーブルおよび中国元での決済を打ち出したことで、2022年はロシアでの売上高が20倍に増えたという。
(中国経済新聞)