4年間かけて脚本を作り、2020年にクランクインし、撮影に126日間を要した中国のSFドラマ「三体」が、1月15日に放送を開始した。SF関連の有名IPによる後押しに張魯一(Zhang Luyi)、于和偉(Yu Hewei)、陳瑾(Chen Jin)、王子文(Wang Ziwen)、林永健(Lin Yongjian)、李小冉(Li Xiaoran)といったキャストが加わり、たちまちにして人気ドラマとなった。ナノ科学者の汪淼(Wang Miao)が警察官の史強(Shi Qiang)により共同作戦本部に連れて行かれ、「科学フロンティア」という団体に潜入して調査に協力し、全員で力を合わせ、ゆるぎない信念で迫りくる人類の危機に立ち向かう物語である。
中国版ブログのウェイボーでは、放送開始直後から「三体」などの言葉への検索が殺到した。ドラマの公式ウェイボーによると、テンセント動画サイトの人気指数は配信開始から最速での2万突破を果たし、1時間で2.5万を超え、配信初日としての新記録を打ち立てたのである。
映像データの分析を手掛ける「猫眼」専業版によると、最新統計でトータルネットでの人気NO.1のドラマとなったという。
ただし、酷雲による視聴率を見ると、「三体」の放映時間におけるCCTV-8の視聴率は約1.3%前後とあまり芳しくなかった。これに対してネットでは、「準ゴールデンタイムとゴールデンタイムで比べてはダメ。準ゴールデンタイムにしてはなかなかの視聴率だ」とのコメントもあった。また、このドラマはCCTV-8のターゲット向きではないので視聴率は今一つ、とのコメントもあった。
SNSでは今のところ好評が絶えず、「第一印象は『原作に忠実』」、とのコメントが多くなっている。
「三体」は、劉慈欣(Liu Cixin)が執筆した長編SF小説で、「三体」「三体2:黒暗森林」「三体3:死神永生」の3部により構成されている。第一部は2006年5月に雑誌「科幻世界」で連載され、第二部は2008年5月に出版、第三部は2010年11月に出版された。地球の人類文明と三体の文明の情報交流、生死をかけた戦い、二つの文明の宇宙での盛衰を描いたもので、劉宇昆氏により翻訳された第一部は第73回ヒューゴー賞の長編小説部門を受賞している。
(中国経済新聞)