近日、中国のビール醸造会社の燕京ビールの麦芽の供給元である永順泰が、最初の上場申請を通過した。中国の株式発行審査委員会(股票发行审核委员会)は永順泰に対して、同社が燕京ビールのために用意した商品の売上単価と売上総利益率が、その他の商品を上回る理由と合理性について説明を求めた。
燕京ビールの2020年と2021年の年報によれば、会社は永順泰を関係当事者としてまだ公表していなかった。しかしデータからは、永順泰の独立取締役である張五九の配偶者が燕京ビールで独立取締役を担当しており、何かしらの繋がりがあったことが分かる。
これだけでなく、両社が公開するデータにはおかしなズレがある。永順泰の開示事項をまとめた書類には、2018年から2020年で対燕京ビールの売上高として、2.16億元(約43.2億円)、2.51億元(約50.1億円)、3.3億元(約65.9億円)とある。一方、燕京ビールが公開した同時期のデータには、最大供給者に支払った金額として、7959.34万元(約15.9億円)、1.63億元(約32.6億円)、8083.82万元(約16.2億円)と公開されていた。
つまり、燕京ビールとその最大取引先である永順泰がそれぞれ公開する関連データには大きな差があるのだ。2021年燕京ビールのビール生産量は2.55%増え362.19万キロリットルで、売上量も2.44%増の362万キロリットルだった。しかし同年の買付額が異常に増えている。266%増の11億元(約220億円)なのだ。つまり燕京ビールは大規模な原材料の買い付けを行なっているものの、相応なビール生産は行っていないのである。8月8日時点で燕京ビールはまだコメントを発表していない。
(中国経済新聞)