韓国の関税庁によると、中国との貿易について、5月は10.99億ドル(約1485.4億円)、6月は12.14億ドル(約1640.8億円)の赤字であった。また、7月は20日の時点で中国への輸出額が前年同期比2.5%減の80.76億ドル(約1.09兆円)、中国からの輸入額は同じく23.5%増えて96.15億ドル(約1.30兆円)であった。すなわち、この段階で中国との赤字額が5月と6月を超える15.39億ドル(2080.0億円)となっている。韓国のメディアによると、主要10品目における7月1日から25日までの中国への輸出額は、半導体が10.9%増えたのみで、それ以外は横ばいか減少であった。一方で中国からの輸入については、主力分野である繊維、半導体、一般機械、パソコンなどが増加傾向を示すなど、大幅に増えている。
ソウル科学総合大学大学院のファン・ビ主任教授は、「1994年8月から27年9か月続いていた対中貿易黒字が今年5月にストップした」と述べた。その後は赤字が3か月間続いており、こうした状況はここ30年間では極めて異例で、しかも赤字幅も拡大する傾向にある。
韓国メディアによると、これまで対中輸出でかなりのシェアを占めていた工業用原材料が今は逆転され、国内で中国品のマーケットシェアが拡大しつつあるという。特にハイスペック部品について、中国からの輸入割合は1996年には2.9%だったが去年には39.7%に達している。
「消費分野における競争では、コストダウンや付加価値の増加もさることながら、消費者の獲得で大事なのはマーケットを研究し、ブランドイメージを打ち立てることであり、商品のブランドはおのずと企業や国のイメージにもつながる」とファン教授は見ている。「韓国の商品やブランドは中国で同じ外国品との競争にさらされており、その一方でコスパやアフターサービスは中国国内のものにかなわない」と言うのである。またファン教授は、「韓国品は国内ではアフターサービスを売り物に人気を得ているが、国外ではこうした競争メリットが発揮できない」と述べている。
(中国経済新聞)