ドイツのコベストロ、海上風力発電の需要増を受け上海に2工場を建設

2022/07/12 10:30

海上風力発電の容量が世界最大である中国は、2021年の新規容量が前年比で452%の増加となる16.9ギガワットであった。世界全体の新規容量の80%に相当するものである。

ドイツの素材メーカー・コベストロは7月8日、水系ポリウレタン樹脂(PUD)と可塑性ポリウレタンの生産拡大に向け、上海にある同社の総合拠点内で工場2か所の建設を開始した。総工費は数千万ユーロで、2年以内に操業開始予定である。

コロナ以降初めてとなる上海でのコベストロの新規投資案件であり、いずれの工場とも、世界的にエコで高性能な素材が求められるクリーンエネルギー業界の需要に応えるものである。

水系ポリウレタン樹脂は、自動車、建設、家具、シューズ、包装材などで利用されるエコ型の塗料や接着剤の原料となり、可塑性ポリウレタンは海上風力発電や太陽光発電、物資の輸送などで広く利用される。

コベストロにとって、上海の総合拠点は世界最大規模の生産基地である。同社によると、これらの高機能材は中国などアジア太平洋地域でGDPや末端産業の成長率を上回る伸びを示しており、2021年の中国での売上高は22%前後を占めているという。

2001年に操業を始めた上海拠点は、これまでに36億ユーロが投資され、現在すでに11の工場があり、コベストロにとって世界最大の生産基地となっている。2021年には、リサイクル分も含んだ原材料を大口で供給する体制が備わっている。

(中国経済新聞)