中国の人気アニメ映画シリーズ「熊出没(Boonie Bears)」の最新作『熊出没・年年有熊(Boonie Bears: Yearly Celebration)』が、公開後好調な興行成績を記録している。
同作は華強方特(深圳)動漫有限公司などが共同制作し、林匯達(リン・フイダー)が監督を務める。脚本は徐芸、万秦、蒋琳、王亦菲が手掛け、張偉、張秉君、譚笑、王兵兵、聶吉軒らが声優を担当した。中国本土では2026年2月17日に公開され、2月26日には香港・マカオでも上映が開始された。
シリーズ第12作となる本作は、森の頼れるリーダーであった熊大が、突如現れた「年年」によって年獣の力を熊強コンビに引き継がれ、最も力の弱い存在になってしまうところから物語が始まる。現状を変えようとする中で熊大は敵の罠にはまり、世界を揺るがす危機を引き起こしてしまう――というストーリーだ。さらに、熊大の役割やキャラクターの成長を通して、「誰にでも得意不得意があり、仲間の力を認めることが大切」というメッセージが込められている。

公開からわずか数週間で興行収入は順調に伸び、2026年3月7日17時22分時点で10億元(約200億円)を突破し、3月25日には累計10.47億元(約210億円)に達した。中国国内での2026年春節映画興行ランキングでは4位に位置しており、シリーズ全体の累計興行収入はすでに93億元(約1,860億円)を超えている。
シリーズは2005年の第1作『熊出没之奪宝熊兵(Boonie Bears: To the Rescue)』公開以来、12年間にわたり毎年春節に新作が上映されてきた。毎年恒例の家族向け娯楽として、多くの家庭で「春節の映画」として定着している。
シリーズ第1作『熊出没之奪宝熊兵(Boonie Bears: To the Rescue!)』が公開されてから今年でちょうど12年。以来、毎年新作が公開され、多くの家庭にとって“春節の定番映画”として定着している。
最新作ではキャラクターにも新たな変化が加えられている。主人公の一人・光頭強には髪の毛が生えるというユニークな設定が登場し、物語に新鮮さとユーモアをもたらしている。また、頼れる存在だった熊大が“不得意な面を抱えるキャラクター”として描かれるなど、「完璧ではない自分を受け入れる」というメッセージも盛り込まれている。

こうした作品づくりを支えているのが、成熟した制作体制だ。「熊出没」シリーズは、企画開発から脚本、絵コンテ、美術、3DCG制作、映像合成までを一貫して行う産業化された制作システムを確立している。複数の制作チームが交代で担当し、「年に1本」という公開ペースを維持している。
制作は個人に依存せず、チームで進める体制が特徴で、各段階で社内の監修会議を行い、作品の完成度を高めている。時には激しい議論も交わされるが、最終的には観客の視点を重視して方向性を決定するという。
近年、春節映画市場の競争は激しさを増しているが、「熊出没」は観客にとって“安心して楽しめる作品”としての地位を確立している。制作側もその信頼に応えるため、毎年新しさを追求しながらも、シリーズらしさを保つことを重視している。
さらに、「熊出没」は映画にとどまらず、IP(知的財産)としての展開も広がっている。関連テーマパークは淮安や宜春で開業し、テーマホテルも厦門や天津で好評を博している。加えて、新作の制作も継続的に進められている。
制作チームは毎年、市場調査や観客の声を積極的に取り入れ、作品の改善に活かしている。こうした積み重ねが、長期にわたる人気の背景にあるといえる。
中国アニメ映画の今後について、関係者は「企業と大学の連携を強化し、人材育成を進めることが重要だ」と指摘しており、産業としてのさらなる発展にも期待が寄せられている。
(中国経済新聞)
