3月24日、日本陸上自衛隊の3等陸尉(少尉)村田晃大容疑者(23歳)が刃物を持って中国大使館に侵入した。この事件は、中日両国が国交正常化を回復して以来前例のない出来事であり、国際社会でも極めて稀な事例である。それでは、日本政府はこれまでどのような態度を示してきたのか。

事件発生翌日の記者会見で、木原稔内閣官房長官は次のように述べた。「本来、法を守るべき自衛官が建造物侵入罪で逮捕されたことは、誠に遺憾である」。また、中国側から「厳正な交渉」が行われ、徹底的な調査と再発防止を求められたことを明らかにした。日本政府は直ちに、中国大使館周辺への警察官の増派を決定した。
「遺憾」という言葉は、日本政府の危機対応辞書の中で、最も弱い表現である。否定もせず、深く追求もせず、深い亀裂の上に薄い紙を貼ったようなものだ。
日本のネット世論は、別の二人に目を向けている。首相の高市早苗氏と、防衛大臣の小泉進次郎氏である。
事件後、高市首相はこの件について一切の公式な発言をしなかった。一方、小泉進次郎防衛大臣の対応は、ソーシャルメディア上でより直接的な反発を招いた。事件当日の夜、彼はX(旧Twitter)で自衛隊の待遇改善を宣伝する投稿をし、翌日は陸上自衛隊高等工科学校の卒業式の動画をリポストした。その後2日間も、防衛関連の投稿を続け、中国大使館侵入事件については一切触れなかった。
ネット上の批判は急速に集まった。「防衛大臣は見て見ぬふりをするつもりか」「これは国際問題だ。一体いつまで沈黙を続けるのか」「これはあなたの職責の範囲内だ。本当に理解しているのか」。

高市首相と小泉防衛大臣がなぜ沈黙を保つのか。日本テレビやTBSなどの分析では、単なる失察ではなく、政治的なやむを得ない選択である可能性が高いとされている。
高市内閣は現在、極めて微妙な外交状況に置かれている。昨年11月、高市首相の台湾に関する誤った発言が、中日関係を継続的な緊張状態に陥れた。この事件は、まさにその背景の下で発生し、中国の言論空間において「日本軍国主義の復活」というナラティブの格好の材料となった。中国政府はこれを「新型軍国主義の表れ」と位置づけ、高市内閣の「誤った対中政策」に矛先を向けた。このような状況で、高市首相が不用意に発言すれば、どのような表現であれ、世論に切り取られ拡大されることを懸念せざるを得ない。沈黙は、高市氏にとってリスクを最小化する選択肢のように見えた。しかし、この選択は、中国との関係改善の好機を失うことをも意味していた。
さらに不可解なのは、この2日間、日本衆議院で公開の質疑・答弁が行われているにもかかわらず、与野党ともにこの事件に対して異例の冷静さを保ったことだ。質疑席から高市首相や小泉防衛大臣に直接追及する者はほとんどいなかった。これは、日本政治全体がこの事件に対して、暗黙の了解のもとで回避していることを示しているのかもしれない。それは、政界に危機意識が欠如しているからではなく、むしろ逆である。本当の外交危機の圧力が目前に迫っているからこそ、一言一句が爆発点となり得るため、公式な発言の余地がほぼゼロにまで圧縮されてしまったのだ。
沈黙は、火のついた状況下でのやむを得ない選択かもしれない。しかし、その代償もまた、明らかであろう。
(中国経済新聞)
