郭富城×王一博、世代を超えた共演――春節ガラで最高視聴率39.7%を記録した3分間の熱狂

2026/02/18 15:04

今年の中国中央テレビの春節特別番組(いわゆる「春晩」)で、瞬間最高視聴率39.7%を記録したステージがあった。テレビをつけていた人のほぼ3人に1人が、その瞬間この番組を見ていた計算になる。

その数字を生み出したのは、意外な組み合わせだった。60歳の郭富城と、29歳の王一博。

“四大天王”の時代から第一線を走り続ける“舞王”と、現代のステージを象徴する新世代のパフォーマー。実に31歳差の二人が、同じ舞台で向き合った。

披露されたのは《闪耀動起来》。郭富城の代表曲《動起来》を再構成し、《恭喜恭喜》の旋律を織り込んだ祝祭色あふれるナンバーだ。演出の狙いは明快だった――「二つの時代を代表するダンサーが、春晩の舞台で対話する」こと。

極秘裏に進んだ準備

今回の共演は徹底した秘密主義のもとで進められた。合同リハーサルはわずか一度。正式な番組表が大みそか前夜に発表されるまで、多くの関係者でさえ確信を持てなかったという。

本番当日、二人は舞台両脇の昇降装置から同時に登場。郭富城は銀色のスーツ姿で、完璧に静止したポーズからスタート。王一博はキレのあるストリートダンスで応じる。足元には回転・昇降を繰り返す巨大な舞台装置。移動し続ける足場の上で、高難度の歌とダンスを同時にこなす構成だった。

60歳の郭富城は、往年の“桜花ステップ”を披露。90年代の香港スター特有の大きく力強い動きは健在で、跳びながらも歌声は安定していた。長年体脂肪率を一桁台に保つ徹底した自己管理が、その裏にあるとされる。

一方の王一博は、1分間120拍の高速ラップに挑戦。大きな振り付けと連続回転を織り交ぜながら、全編生歌で歌い切った。息遣いまで拾われる中でも、言葉は明瞭だった。

世代を超えた“対話”

中盤のダンス対決は、この舞台の象徴的な場面だった。郭富城のクラシックなムーンウォークに、王一博が電流のようなストリートダンスの動きで応じる。異なる時代の表現がぶつかり、そして調和する瞬間だった。

照明が金色に変わり、二人が昇降台の頂点で左右対称に腕を広げたその瞬間、視聴率は急上昇し39.7%に達した。近年の春晩でも上位に入る高い数値だという。

同時配信のリアルタイム人気も2億3,000万を突破。交流サイトでは「年を重ねても一流は一流」という趣旨のコメントが拡散された。

子どもが「この人かっこいい!」と叫び、母親が「お母さんが若いころからスターだったのよ」と答える――そんな家庭のやり取りを収めた動画も話題になった。

9年前から続く縁

二人の縁は偶然ではない。2015年、王一博は映画『梦想合伙人』に出演し、主演の一人が郭富城だった。直接の共演場面はなかったが、王一博は当時、現場で郭富城の立ち居振る舞いを観察していたという。

2017年にはバラエティ番組『天天向上』で郭富城のダンスを披露し、敬意を示した。今回の共演は、いわば9年越しの実現でもあった。

舞台裏の姿

リハーサルの姿勢も対照的だった。王一博は限られた合同練習の中で一度もミスなく通し、完成度の高さを示した。一方の郭富城は半月前から毎日8時間以上練習。わずかな視線や手の角度にも妥協せず、同じ動きを何度もやり直したという。

本番後、二人は通路で肩を叩き合い、言葉少なに笑った。王一博は壁にもたれて息を整え、郭富城も顔を赤らめながら汗をぬぐう。保温ボトルを手に、しばらく無言で座る姿が、全力を出し切ったあとの静けさを物語っていた。

39.7%が示したもの

放送翌日、郭富城の《动起来》は主要音楽配信サービスで再生回数が急増。若い世代が過去のライブ映像を探し、90年代のダンスが再び広がった。

王一博にとっては三度目の春晩出演。これまでの出演を経て、今回の舞台は難度も規模も一段と高まった。人気だけでなく、祝祭の場にふさわしい完成度が求められた結果だった。

わずか3分余りのパフォーマンスが、世代を超えた共鳴を生み出した。

39.7%という数字は、その瞬間、異なる時代の記憶と現在が同じリズムで響き合ったことを示す、何より明確な証しだったのである。

(中国経済新聞)