造形・フィギュアイベント「Wonder Festival(以下WF)」は、日本の老舗模型メーカー・海洋堂が主催してきた世界最大級のイベント。2025年10月2日~3日に上海新国際博覧センターで行われた中国WFは、今年からビリビリが単独で運営を担当した。
今回のWFは規模を大きく広げ、400社以上の企業ブースと2,000人を超える個人ディーラーが出展。展示作品は10万点以上にのぼり、チケットは発売開始からわずか4分で完売。来場者数は2日間で12万人を突破し、大盛況となった。

企業ブースは前年から35%以上が新規出展で、ALTERが初参加し会場限定品や新作を発表。小島プロダクションのグッズ販売や、フリューをはじめとするメーカーによる新製品・限定アイテムなど1,000点以上が並んだ。
個人ディーラー枠は3,000人以上の応募から抽選で2,000人超が参加。会場は常に満員で、国内最大級の模型コミュニティとして高い評価を集めた。今年は「当日版権制度」も拡大し、ビリビリ自社IPに加えて国内35社以上と提携、参加IPは62に増えた。
当日版権制度は、イベント当日に限り版権元の許可を得て既存キャラクターを展示・販売できる仕組み。普段は法人契約が必要だが、WFでは個人ディーラーも利用できるのが特徴。今年は『エルデンリング』『ダークソウル』『ベルセルク』『クレヨンしんちゃん』『ブルーアーカイブ』『戦艦少女R』など19作品が新規追加され、『初音ミク』『エヴァンゲリオン』『ウルトラマン』『Fate』シリーズといった人気作品も継続許可された。
イベントでは来場者との交流も強化。世界初公開の作品展示、コレクター向けアーティストショーケース、初心者向け無料ワークショップなどを実施。さらにビリビリアプリ内で使えるデジタルナビを公開し、ブース検索や会場移動をスムーズにした。
グッドスマイルカンパニーは米山舞やsaitomら人気イラストレーターとコラボした限定フィギュアを展示。小島プロダクションのブースでは『デス・ストランディング2 オン・ザ・ビーチ』の未公開フィギュアやスタチューを公開。サイン会も10回以上行われ、クリエイターとファンが交流する場となった。懐かしのおもちゃ展示やテーマ別マーケットプレイスも好評だった。
ゲストには『シン・ウルトラマン』『シン・ゴジラ』で知られる映画監督・樋口真嗣が登壇し、制作秘話を語った。さらに小島プロダクションのEntei Ryu、大畠雅人、藤本圭紀、Naomi&Torami、小山茂人、saitomら12人のアーティストが参加し、作品制作の裏側やインスピレーションを共有した。
動画配信プラットフォームとして若い世代に人気のビリビリは、今ではフィギュアや模型コレクターにとって欠かせないコミュニティになっている。同社のECプラットフォームも主要ブランドと提携し、業界のイノベーションをけん引。今年は出展者支援を強化し、独自のコンテンツプロモーションプログラムを導入。数千万規模のリーチを提供したほか、EC上に専用販売チャネルを設け、オンラインとオフラインをつなぐ販売モデルを構築。出展者の市場拡大を後押しした。
ソース: Bilibili Inc.
(中国経済新聞)