最も有名な中国白酒のひとつ、飛天茅台(フェイテン・マオタイ)の卸値が過去最低に下落

2025/09/16 15:15

酒類相場をモニタリングするプラットフォーム「今日酒价」のデータによると、9月14日時点で最も有名な中国白酒として知られる2025年版の飛天茅台(フェイテン・マオタイ)(53度/500ml)の卸参考価格は、バラ売りで1本あたり1,770元(約3万7,000円)となり、上場以来の最安値を更新した。プラットフォームが稼働を開始した当初の価格2,220元(約4万6,600円)から20.27%下落している。

2本セット販売の価格も1本あたり1,790元(約3万7,600円)と、こちらも上場以来の最安値を記録。開始当初の2,255元(約4万7,400円)から20%以上下がった。

さらに1リットル入りの「キロマオタイ」も、2本セット価格が3,300元(約6万9,300円)となり、年初の3,700元(約7万7,700円)から18.9%下落して年内最安値を付けている。

飛天茅台(フェイテン・マオタイ)の小売市場価格もすでに1,700元(約3万5,700円)台まで下がっている。EC大手の拼多多では、飛天茅台(53度/500ml)2本セットが3,400元(約7万1,400円)で販売され、1本あたりの実勢価格は1,700元となる。

国慶節・中秋節の大型連休まで残り3週間を切り、白酒業界は繁忙期に向けて準備を進めている。

8月24日から9月7日にかけて、茅台集団の党委員会副書記兼総経理の王莉氏、副総経理の張貴超氏、張旭氏らが、華東・西南・東北市場を視察。約200社の販売代理店を訪問し、揚州、重慶、長春などで地域別の販売戦略会議を開催した。

通常、白酒の消費は第3四半期が「閑散期」とされるが、今年は茅台が新商品を相次ぎ投入。差別化された商品設計や付加価値により、新たな需要を掘り起こしている。

限定販売の「五星商標70周年記念酒」(53度/500ml)は、コレクションや贈答市場を狙ったもので、ボトルごとに固有番号を付与。発売時の7,000元(約14万7,000円)からすでに1万元(約21万円)前後の高値で取引されている。

また、茅台の文創商品も拡大しており、8月に発売された「黄小西吃晚饭」シリーズ(500ml)は発売直後に連日完売。最近では100ml版も登場した。

高級ラインでは「贵州茅台酒(精品)」が9月の貴州酒博会でリニューアルされ、パッケージ改善と新たな偽造防止技術が導入された。

新たに「茅台1935尊享版」が発売され、新しい流通モデルが採用された。一方で、業績を支える主力商品は依然として飛天茅台を中心とするコア製品群である。

近年は500mlの飛天茅台や生肖茅台に加え、1リットル入りの「キロ茅台」も成長著しく、すでに市場のコア商品になりつつある。各種酒価情報サイトでは、公斤茅台の卸値は3,300元(約6万9,300円)以上で推移している。

一方、核心ブランドの飛天茅台については、重慶の地元販売業者によれば「ここ1週間で問い合わせや仕入れ希望が明らかに増えている」という。

まとめると、飛天茅台の500mlは上場来安値の約3万7,000円まで値下がりしたものの、国慶節・中秋節という最大の需要期を控え、今後の需要増が価格の底打ちにつながるかが注目されている。

(中国経済新聞)