中国、小惑星への高速衝突計画を発表

2025/09/6 20:15

最近開催された第3回深宇宙探査天都国際会議において、中国の月探査プロジェクトの主任設計者である呉偉仁院士が、中国が小惑星に対する運動エネルギー衝突の実証検証任務を計画中であると明らかにした。この任務は、小惑星防衛策の実現可能性を検証することを目的としている。
呉偉仁院士によると、この任務は「随伴飛行+衝突+随伴飛行」という任務モードを採用する予定だ。具体的には、観測機と衝突機を打ち上げ、観測機がまず目標小惑星に接近して詳細な特性パラメータを取得する。その後、衝突機が小惑星に高速で衝突する。衝突の全過程は、地上と宇宙が連携した方式で監視され、近距離高速撮像などの技術を用いて、小惑星の軌道、形状、飛散物の変化を観測し、衝突の効果を正確に評価する。
この計画は、小惑星が地球に衝突する潜在的な脅威に対処するための技術開発の一環であり、地球防衛の新たな一歩となる。中国は月探査や火星探査で培った深宇宙探査の技術力を活かし、小惑星防衛の分野でも国際的な貢献を目指している。この任務が成功すれば、小惑星の軌道変更や衝突リスク軽減の技術的可能性を検証する貴重なデータが得られることが期待される。
今後、具体的な任務の詳細や実施スケジュールが注目される中、中国の宇宙開発が地球保護の新たなフロンティアを開く可能性に期待が高まっている。

(中国経済新聞)