ペット食品関連の上場企業が相次いで2025年上半期の業績を発表し、好調なペット経済の波に乗った高成長が鮮明となった。
乖宝(グアイバオ)ペットフード(301498.SZ)が8月に公表した半期報告によれば、売上高は32.21億元(約644億円)に達し、前年同期比32.72%の増加、純利益は3.78億元(約76億円)で22.55%伸びた。同業の中寵股份(002891.SZ)も売上24.32億元(約486億円、24.32%増)、純利益2.03億元(約41億円、42.56%増)と大幅な伸びを示した。
一方、路斯股份(832419.BJ)は売上3.91億元(約78億円、11.32%増)と拡大したが、純利益は3046万元(約61億円)で12.07%減少。ペティ股份(300673.SZ)は売上7.28億元(約146億円、13.94%減)、純利益0.79億元(約16億円、19.23%減)と減収減益となった。
ペット食品はペット経済の中でも最大の消費分野で、飼い主の支出の首位を占める。2024年の市場規模は1668億元(約3兆3,360億円)で前年比7.54%増、2025年には1755億元(約3兆5,100億円)を突破すると予測される。消費構造を見ると、主食が35.7%、おやつが13.5%、栄養補助食品が3.6%を占めた。

投資も活発だ。2024年にはペット食品分野で6件、総額約13.13億元(約263億円)の投資が開示され、2025年1~4月にも4件で0.20億元(約4億円)規模の投資が行われた。
国内市場では長らくマースやネスレ・ピュリナなど外資が優位を保ってきたが、ここにきて国産ブランドの支持が高まっている。価格上昇や供給網の不安定さで輸入品への信頼が揺らぐ一方、国産ブランドは科学的な配合や大規模生産でコストを抑えつつ品質を改善。消費者の選好は確実に変化している。
ビッグデータによると、2024年時点で犬飼育者の32.9%、猫飼育者の34.8%が国産ブランドを選好。特定ブランドにこだわらない層の割合は縮小し、国産シフトが鮮明になっている。
乖宝ペットの「マイフディ」ブランドは2015年の国内シェア2.4%から2024年には6.2%に拡大し、国産ブランド首位に立つ。研究開発体制の強化も進めており、2024年には上海に栄養研究院の拠点を新設した。
業界関係者によれば、今後の成長のカギは「機能性ペットフード」にあるという。ペットフードは「満腹」から「健康・予防」へと需要が進化し、主食・おやつ・サプリメントの三分野が併存する市場構造が形成されつつある。
ペット医療関係者は「業界は流量競争から価値競争へと移行している。自社ブランド構築、研究開発の深化、持続可能性の確立が重要だ」と指摘する。
ペット経済は高成長を続け、国内メーカーの存在感も強まりつつある。とりわけ機能性食品という新たな市場が、今後の業界をけん引する可能性が高い。資本の参入も相次ぎ、競争は一段と激しさを増す見通しだ。
(中国経済新聞)