大連科技学院、「全職員の給与停止」報道

2025/08/27 21:47

中国・遼寧省の大連科技学院(大学)を巡り、ネット上で「全職員の給与が停止され、秋季開学が危機に瀕している」との情報が拡散したが、同学院は8月24日、公式ウェブサイトで状況説明を発表。給与問題は解決済みで、秋季開学に向けた準備が順調に進んでいると明らかにした。

問題の発端は、8月5日に大連科技学院労働組合委員会が発表した「全教職員への一封の信」に遡る。この文書によると、7月2日、同学院の各種関連口座が大連市中級人民法院により、事前の法的文書や通知なしに凍結された。これにより、7月分の給与が予定通り支払われなかった。学院側は、事態発生以降、理事長や学院が複数回にわたり緊急会議を開催し、司法機関や関係金融機関と積極的に協議を重ね、解決策を模索してきた。

教職員の生活難を考慮し、学院労働組合は一時的な困難補助金と慰問補助金の支給を決定。8月24日の発表では、司法機関や金融機関との調整を経て、給与支払い問題が完全に解決されたと強調。秋季開学に向けた準備も計画通り進んでおり、予定通りの開学が保証された。

大連科技学院は、遼寧省大連市旅順経済開発区に位置する理工系民間大学だ。2002年7月、大連鉄道学院(現・大連交通大学)と大連陽光世紀教育産業投資有限公司が共同で設立した独立学院「大連交通大学情報工程学院」を前身とする。2011年に民間普通大学として改組され、現在の大連科技学院となった。理工系教育を中心に、地域の産業発展に寄与する人材育成を目指している。

今回の騒動は、民間大学が直面する運営上の課題を浮き彫りにした。中国では近年、民間教育機関の資金繰りや法務問題が注目されており、特に地方の民間大学は、資金調達や経営の透明性が求められるケースが増えている。大連科技学院の口座凍結の詳細な理由は公表されていないが、学院側の迅速な対応と情報公開は、教職員や学生への信頼回復に向けた一歩と言える。

(中国経済新聞)