近年、貿易環境の変化に伴い、中国の家電企業はグローバル市場での展開を加速させ、多角化による「海外進出」を積極的に進める。2024年の中国家電市場は、国内小売総額が9071億元(約17兆円)、輸出額が8205億元(約15・5兆円)に達し、国内販売と輸出がほぼ同等の重要性を持つ。だが、国内市場は飽和状態に突入し、近年は8000~9000億元の規模で横ばいが続き、競争が極めて激化する。一方、新興市場を中心とした海外市場は大きな成長の可能性を秘め、中国の家電輸出額は2019年の700億ドル超から2024年には1124億ドルへと、わずか5年間で60%の成長を遂げる。
中国機電製品進出口商会家用電器分会の秘書長、周南(Zhou Nan)氏は「国内の家電市場はあまりにも競争が激しい」と述べる。かつては国内市場での利益が輸出を上回ったが、近年は輸出の方が収益性が高くなり、多くの企業が海外市場での成長機会を求めて「出海(海外進出)」を加速させる。