恐れていたことがこれほど早く現実になるとは、言葉を失う。
高市首相の「台湾有事」と「存立危機事態」にかかわる発言とそれによって引き起こされた日中両国間の諸問題を前にしての率直な感慨である。
先月の本稿に、高市氏が日本国の首班として国政に当たること、そして、高市氏を舞台に押し上げる日本の世相をも含めて、「国難」と書いた。あまりの直截さに様々意見もあった。しかし、まさしく文字通りの状況となった。言うまでもないが、こうなることを望んでいたわけではない。そうならなければいいがという思いを込めて前稿の筆を執った。しかし、高市氏は筆者の見立てを「裏切る」ことなく、まさに国難を招き寄せてしまった。
先回りして結論を言うなら、現在出来している日中間の問題に対して「特効薬」はない。事態をこうしてしまった高市氏自身が問題の深刻さを認識して、自ら対処、解決に当たる以外ない。自明かつ単純なことであるが、あえて記しておかねばならない。問題は、日本国内閣総理大臣たる高市早苗氏にその自覚と覚悟があるかである。
