近年、中国では「怠け者経済」（中国語は「懶人経済」）と呼ばれる新たなライフスタイルが静かに、そして急速に広がっている。これは、「時間と労力を節約すること」を目的としたサービスや商品が生活の中に浸透し、家事の簡略化や生活行動の外部委託が一般化している現象を指す。家庭用の賢い家電の普及、食事や買い物の宅配サービス、さらにはあらゆる便利サービスが登場し、人々の生活様式を大きく変えつつある。
午前11時50分、宅配員の楊さんは上海復興公園近くの住宅街に昼食を届け終えた。その時点で、この日すでに23件目の配達だった。「朝6時から走っています。11時から13時までは一番忙しい時間帯。暑ければ暑いほど、注文が増えます」と語る。