中国国家統計局が6月16日に発表した2025年5月の70大中都市の住宅価格データによると、上海の新築商品住宅の販売価格は前月比0.7%上昇、同比5.9%上昇し、北京、広州、深圳の他の三大都市を抑え、唯一前月比・同比ともに上昇を記録した都市となった。
上海の新築住宅市場は5月、取引量と価格の両面で顕著な成長を見せた。取引面積は61.8万平方メートルに達し、前月比16.5%増、同比23.7%増となった。一方、北京、広州、深圳では新築住宅価格がそれぞれ0.4%、0.8%、0.4%下落し、市場の対照的な動向が浮き彫りとなった。
全国の70大中都市のうち、5月に新築住宅価格が前月比で上昇したのはわずか13都市にとどまり、上海の0.7%の上昇率は杭州(0.8%)に次ぐ全国2位となった。
上海の不動産市場の強靭さと構造的な支えが、今回のデータに反映されている。中原地産のモニタリングデータによると、5月の上海新築住宅取引トップ10のうち、平方メートル単価10万元以上の物件が6件を占め、上位5件はいずれも高級改善型物件だった。
特に注目すべきは、徐匯濱江の「緑城潮鳴東方」プロジェクトで、平方メートル当たり平均19.2万元で3.2万平方メートルの取引を記録。また、新楊思の地王プロジェクト「翡雲悦府」は平方メートル当たり10.7万元で約3.1万平方メートルを取引した。両プロジェクトは144平方メートル以上の大型住戸を主力商品とし、この面積帯の価格は前月比0.8%、同比7.3%上昇した。
高級物件の集中的な市場参入が、上海の新築住宅の平均価格上昇の主要因となっている。上海の不動産市場は、こうした高価格帯の需要に支えられ、引き続き全国の主要都市の中で独自のポジションを維持している。
上海の不動産市場の今後の動向に注目が集まる中、今回のデータは、同市の市場が全国的な下落傾向の中でいかに特異な回復力を持つかを示している。
(中国経済新聞)