年6月17日、中国駐イスラエル大使館は、イスラエル国内に滞在する中国公民に対し、安全を確保したうえで、陸路国境を通じて速やかに出国するよう呼びかける公告を発表した。現在、イスラエルとイランの衝突が継続的に激化しており、現地の安全情勢が一段と悪化しているためと説明している。
大使館の公告によると、イスラエル国内では連日の軍事衝突により、民間施設への被害や一般市民の死傷が相次いでおり、極めて深刻な状況が続いているという。これに伴い、現地に滞在する中国公民からは、空港の再開時期やフライト情報に関する問い合わせが多数寄せられている。
しかし、大使館の確認によれば、イスラエルの領空は依然として封鎖状態が続いており、政府は全国的な非常事態措置を6月30日まで延長している。一方で、イスラエル政府はヨルダンおよびエジプトとの陸路国境口の開放を維持しており、陸路による出国が現時点で最も現実的な退避手段とされる。
中国大使館は、在イスラエル中国公民に対し、身の安全を最優先としたうえで、ヨルダンまたはエジプト方面の陸路国境を活用し、可能な限り早期に退避・出国するよう強く促している。また、同館は旅券・証明書類などの領事サービスを平常どおり提供し、退避や帰国の支援に全力を挙げる方針を示した。
現在、イスラエル国内には数百人規模の中国国民が滞在しているとされ、留学生、ビジネスマン、技術者、観光客など多様な背景を持つ。在留者の間では不安の声も高まっており、大使館の今回の呼びかけは、迅速かつ的確な避難行動を促すものとなっている。
大使館は、今後も現地情勢を注視しつつ、必要な支援と情報提供を継続して行うとしている。
(中国経済新聞)