2025年に入って以来、中国の不動産市場は依然として低迷から抜け出せない状況が続いている。市場調査機関「克而瑞(CRIC)」が5月31日に発表した最新データによれば、主要100社の2025年5月の操盤販売額は2945億8000万元で、前月比では3.5%の微増となったものの、前年同月比では8.6%の減少となった。
同機関の過去データによると、2025年1月から4月までの月別販売額は、それぞれ2276億1000万元(1月)、1881億2000万元(2月)、3177億6000万元(3月)、2846億8000万元(4月)だった。
2025年前半5か月間の販売額を前年同期と比較すると、2月のみが1.2%の増加を記録したが、その他の月はすべて前年割れとなっている。1月は3.2%減、3月は11.3%減、4月は8.7%減と、減少幅が大きかった。2月の増加は、春節(旧正月)休暇の時期の違いが主な要因であり、2025年の春節は1月28日から2月4日まで、2024年は2月10日から2月17日までであった。このため、2025年2月の営業日は前年より4日多かった。
現時点の不動産市場は、過去5年間で最も低調な水準にあるとされている。2月の一時的な増加を受けて、1月時点の前年比減少幅と比べ、1~2月累計での減少率は1.2%にとどまり、一旦縮小した。しかし、その後は再び悪化し、1~3月の累計では5.9%減、1~4月では6.7%減と、減少傾向が続いた。
今回発表された最新データでは、2025年1月から5月までの主要100社の累計操盤販売額は1兆3127億5000万元で、前年同期比では7.1%の減少となった。この数値は、2021年同期のわずか27%に相当し、不動産市場の冷え込みがいかに深刻であるかを物語っている。
政府は市場の安定を図るため、住宅購入規制の緩和や住宅ローン金利の引き下げなどの対策を講じてきたが、消費者心理の回復には至っておらず、市場全体の活性化には時間がかかると見られている。
不動産業界関係者の間では、「今後の市場の鍵は、都市部と地方部における在庫圧力の調整、ならびに需要喚起策のさらなる具体化にかかっている」との見方が広がっている。2025年後半に向けて、回復の兆しが現れるかどうか、引き続き注視が必要である。