5月23日、中国外交部報道官の毛寧氏は定例記者会見において、米国政府がハーバード大学の学生・交流学者プログラムの資格を剥奪し、同大学が外国人留学生の受け入れを禁止された問題についてコメントした。この決定により、ハーバード大学は新規の留学生を募集できないだけでなく、現在在籍する外国人学生は転学しなければ合法的な身分を失うことになる。ハーバード大学の国際学生のうち、中国人学生は約20%を占める。
毛寧氏は、中米間の教育協力は双方にとって有益であり、中国は教育協力を政治化することに一貫して反対してきたと述べた。同氏は、米国の今回の措置は米国のイメージと国際的信用を損なうものであり、中国は海外にいる中国人学生や学者の正当な権利と利益を断固として守ると強調した。
一方、米国が外国人留学生の事実上の追放を進める中、香港は「人材の確保」や「企業の誘致」を積極的に進める姿勢を示している。特に、米国の一流大学から影響を受ける学生を受け入れる動きが顕著だ。5月23日、香港科技大学(HKUST)は、ハーバード大学の留学生に対し、無条件での入学許可、簡素化された入学手続き、学術的サポートを提供する方針を発表した。HKUSTは内部文書で、「最近の出来事によりハーバード大学の外国人留学生に影響が出ていることを受け、HKUSTは現在ハーバードに在籍する外国人学部生・大学院生、およびハーバードから入学許可を受けた学生を本学に迎え入れ、彼らの学業を継続する機会を提供する」と表明。専任チームが転学プロセス全体を通じて指導と支援を行うとしている。
同様の動きは香港大学(HKU)でも見られる。HKUは今年5月初旬に、国際的な転校生の受け入れを公式に表明していた。香港の大学は、米国の政策変更による影響を受けた優秀な学生を受け入れることで、国際的な教育ハブとしての地位を強化しようとしている。
米国による教育分野での厳しい措置は、国際的な人材流動に大きな影響を与える可能性がある。一方、香港の積極的な受け入れ策は、こうした状況を機会と捉え、地域の教育とイノベーションの発展を加速させる狙いがある。
(中国経済新聞)