5月22日、小米グループの雷軍会長は、小米15周年戦略新製品発表会で新型車「小米YU7」を正式に発表した。YU7は「豪華高性能SUV」を定位とし、2024年の国内B級純電SUV市場で圧倒的なシェアを誇るテスラModel Yに真っ向から挑むモデルだ。
小米YU7は中大型SUVで、車体サイズは全長4999mm、全幅1996mm、全高1608mm(または1600mm)、ホイールベース3000mm。驚異的な加速性能を誇り、0-100km/h加速はわずか3.23秒、最高時速は253km/h、100-0km/hの最短制動距離は33.9mと、SUVの常識を覆す俊敏性を備える。標準版の航続距離は835kmに達する。

YU7には3つのバージョンが用意される:
1、単モーター後輪駆動の「小米YU7」
2、デュアルモーター四輪駆動の「小米YU7 Pro」
3、最高性能の「小米YU7 Max」
全モデルに700TOPSの先進運転支援システムとレーザーレーダーが標準搭載され、インテリジェントなドライビング体験を提供する。雷軍は「これは先進時代のエリートのためのユニークなSUV」と自信をのぞかせた。
2024年の中国B級純電SUV市場では、テスラModel Yが55.67万台の販売台数で33.5%のシェアを占め、2位の極氪001(12.3万台)を大きく引き離した。国金証券は、YU7が「25万元の価格帯で100万元級の性能」を実現することで、2025年に20万台の販売を達成し、Model Yの市場シェアの25%を奪うと予測する。
YU7の競合はテスラModel Yのほか、蔚来ES6や理想L7などの中高級純電SUVだ。小米は「フラッグシップ性能+中価格帯」という、初代モデルSU7で成功した戦略を踏襲。業界専門家は、YU7が「SUV=重厚」という固定観念を打ち破り、市場に新たな風を吹き込むと評価する。
一方で、懸念も存在する。小米のオフライン店舗網はテスラの60%程度の密度にとどまり、大量納車を支えるアフターサービス体制が課題だ。これに対し、雷軍は2025年に300店舗を新設し、特に三・四線都市を重点的にカバーする計画を明らかにした。さらに、「代行充電」や「出張修理」などのサービスを導入し、顧客満足度向上を目指す。
雷軍は発表会で、「スマートカーの時代は『ハードウェア+ソフトウェア+エコシステム』の三位一体の競争だ。伝統的自動車メーカーの優位性は崩れつつある」と述べ、業界の変革を強調した。小米はSU7の成功を背景に、わずか2年で自動車業界の「破壊者」としての地位を確立。YU7は、このビジョンを具現化する次なる一手だ。
YU7の価格は7月の正式発売時に発表されるが、最低価格は25万元(約500万円)からと予想される。小米が得意とする「高性能・低価格」の戦略が、どれだけ市場を席巻するかに注目が集まる。
小米YU7は、圧倒的な性能、先進技術、競争力のある価格で、テスラの牙城に挑む意欲作だ。雷軍の言葉通り、「時代が変わった」今、小米はスマートカー市場の新たなリーダーとして、さらなる飛躍を目指す。2025年のYU7の市場パフォーマンスが、自動車業界の未来を占う鍵となるだろう。
(中国経済新聞)