病院の倒産が相次ぐ中国、職員数1700人以上の大手も

2025/02/10 07:30

北京商報など複数のメディアが2月7日、唐山にある大手の病院「南湖医院」が突如倒産したと報道した。入院患者に対し退院するよう伝えた上、診療を完全にとりやめ、大きな騒ぎになっているという。病院側はこの日午後に、「すでに診察を中止しており、入院患者が退院の手続きをしている。診察券のチャージ額返金も受け付けている」と表明した。

ネットで掲載された動画を見ると、1階の受付ホールはがら空きで、診察室の入り口はすべて閉まっており、通路にわずかばかりの職員がいて、玄関に患者を退院させるための救急車が止まっていた。複数の動画発表主によると、家族がまだ入院中で完治していないのに退院するように言われたという。このような声が相次いでいる中、2月8日にはキーワード「唐山の南湖医院が倒産」がトレンド入りしている。

この病院のホームページを見ると、所在地は唐山市内の開発地域で、医療、教育、研究、予防、保健、リハビリといった様々な機能を揃えた近代的な私立の大手総合病院である。建物面積は12万平方メートル弱で建設費用は20.8億元、予定病床数は1680人分で、臨床科室が41か所、医療技術室が15か所あり、2021年12月にオンラインで営業免許を取得している。

診療が完全中止となった原因はいまだに不明である。ある主治医は、「どうしてこのような事態になったのかわからない。私の知る限りでは、医療保険制度が変わって保険分の計上が遅れたり不足したりするようになり、薬や検査の料金管理を強化するなど改革を進めたことでこれらの収入が落ち込み、病院側で多額の設備代や労務費の負担がかさんで、資金不足になった。かなりの私立病院が保険の対象外になっている」と話した。

去年11月24日、江蘇省宿遷市にある有名な小児病院が突如、「清算グループ公告」を発表した。債務問題への対応として、市の担当責任者と病院の楊征院長、法律事務所が、強制的に破産させるための清算グループを結成したとのことである。

今年1月16日、湖北省武漢市の有名な産婦人科病院が突然閉鎖を発表した。病院のスタッフは、従業員の給料が数千万元も滞っていると語った。

中国の企業の破産やリストラに関する情報サイトで、2023年1月1日から2024年末までの公開情報についてキーワード「病院」で検索したところ、破産件数が800件以上にのぼっていた。そのほとんどが私立病院で、公立病院はわずかである。

(中国経済新聞)