タイのピートンターン・チナワット首相が北京を訪問し、中国人俳優の王星氏がタイから国境を接する貿易の要衝であるミャンマーのミャワディで振り込め詐欺パークへ誘拐された事件で注目を集め、中国人観光客が治安上の懸念から同国への旅行をキャンセルするケースが相次ぐ中、怯える中国国民を安心させようとする。
ピートンターン・チナワット首相は2月5日から8日まで北京を訪問する予定。 同首相は1月28日、中国の最高指導者と会談し、タイの治安に関するネガティブな噂を抑え、振り込め詐欺パーク問題の解決に中国の協力を求めると述べた。
観光業はタイの基幹産業であり、国内総生産(GDP)の約12%を占め、タイの雇用の5分の1近くを提供している。 2024年には、タイを訪れる観光客3550万人のうち、中国人観光客は670万人に達する。
中国人俳優の王星は1月3日、映画の撮影のためにタイに誘い込まれ、ミャンマーのミャワディの振り込め詐欺パークに誘拐された。 彼の恋人が世間に注意を喚起するメッセージをSNS投稿した後、王星はタイ警察に救出され、1月11日未明に中国に戻った。
王星の事件によって、ミャンマー東部の振り込め詐欺パークの真実がSNSに公表され、一部の中国人はタイに旅行したら誘拐されるのではないかと心配した。
王星事件の結果、多くの中国人ツアーグループがタイへの旅行計画をキャンセルし、タイの観光当局は、春節期間中にタイへの旅行をキャンセルした中国人観光客は数万人に上ると推定している。
ピートンターン・チナワット首相は司法機関に対し、振り込め詐欺集団の取り締まりを強化し、観光客の安全を確保するよう命じ、中国人観光客にも安全を保証すると約束した。
1月27日に代表団を率いてタイを訪問した中国公安省の劉忠義副部長は、タイの科学技術犯罪捜査局の幹部との会談で、ミャンマーのミャワディには中国人が運営する36の大規模な振り込み詐欺グループがあり、10万人以上を雇って他人から金をだまし取っていることを明らかにしたという。
中国公安部はタイ科学技術犯罪捜査局に対し、タイに居住する詐欺グループのリーダーを一刻も早く逮捕し、中国人俳優王星氏の拉致に関与した容疑者約20人を逮捕し、中国に引き渡すよう求めた。
(中国経済新聞)