国連:ウクライナは軍事衝突後に人口 1000万人減

2024/10/27 08:30

国連人口基金の東欧・中央アジア責任者であるフローレンス・バウアー氏(Florence Bauer)は10月22日、スイスのジュネーブで行われた記者発表会で、「ウクライナの人口はロシアとの衝突が発生した2014年以降で1000万人、およそ25%相当が減少し、うち2022年2月以降は800万人減少となっている」と述べた。大量の国外避難や出生率の低下、戦争の犠牲者が原因という。データによると、ウクライナは約670万人が国外避難民となったことで人口が急減し、特に若者の流出が著しく、軍への動員が理由ともみられる。アメリカのシンクタンク「クインシー研究所」(Quincy Institute of Responsible Statecraft)のウェブサイトによると、今回の発表の1週間にウクライナの大統領府顧問が、「アメリカ政治関係者がゼレンスキー大統領に対して、兵力の拡大に向けて18歳の男性を徴兵するように勧めた」と言ったという。

ウクライナの人口は、旧ソ連が解体した1991年には5000万人を超えていたが、その後は他の東ヨーロッパ諸国と同様に減少の一途である。国連人口基金によると、ウクライナは戦争が激化する前から人口問題を抱えており、出生率はヨーロッパの中でも低レベルで、女性1人に対して子ども1人となっている。安定的な人口維持には2.1の出生率が必要とされている。またウクライナは、大量の若者が活路を求めて国外に出たため高齢化も著しい。バウアー氏は、「ウクライナと国連人口基金で、単に出生率の引き上げを狙うだけでなく、人的資源に重点を置いた国家人口戦略を立てている」と述べている。

ウクライナの独立メディア「The Kyiv Independent」は10月23日、「人口は2024年1月1日現在で3744.1万人であり、今後数年はさらに減少する見込み」と報道した。国連の7月の予測によると、2100年には1530万人にまで減るという。さらに、「ロシアも人口問題を抱えており、今後20年で約700万人減少する」とも伝えている。

(中国経済新聞)