「中国光谷」に大容量メモリー用半導体が登場 わずか1秒で10GBハイビジョン映画を保存

2024/10/3 14:53

湖北省武漢市の東湖新技術開発区(「中国光谷」=オプティカルバレー)にある新存科技は9月30日、中国で最大容量となる3Dメモリー用半導体「NM101」を発表した。ハードディスクや携帯電話など広範囲に利用されるもので、光谷での大きな技術的成果となり、この分野における海外大手の独占状態を破ることが期待される。

新存科技の劉峻総経理によると、中国ではこの種の半導体は容量がMbレベルにとどまっている中、「NM101」は一気にGbクラスに至り、すでに64Gbに達しているという。ランダムアクセスに対応する上、保存の際に読み書きいずれも国内の同クラスのものより10倍以上スピードアップし、寿命も6倍になる。またこれにより製造されたハードディスクは、わずか1秒間で10GBのハイビジョン映画を保存するという。

「NM101」は先端的な3Dパッケージング技術を採用しており、新型素材の電気抵抗の変化をベースに先進的な工程を活用し、不揮発性メモリー100億個を集結させるなど、メモリー構造を画期的なものにしている。これにより作られたハードディスクは、データセンターやクラウドコンピューティング会社などで、大容量で高密度、帯域幅もあり遅延の少ない記憶媒体として活用される。

「NM101」について、華中科技大学集積回路学院の繆向水院長は「新存科技との長年にわたる産学間研究が実を結んだもの」と述べた。メモリー装置における海外依存度を大きく低減し、国内での新型メモリーの産業化を加速させ、デジタルインフラの進展を後押しし、産業界全体でのデジタル企業群の形成に一役買うものだとしている。

「中国光谷」は、中国に4か所ある集積回路の産業基地の1つで、主にメモリー用半導体などを手掛けている。大手が集結して設計、製造、機器から素材、モジュールなど基幹部位に至る企業群を急速に形成しつつある。

(中国経済新聞)