中国西部の古都である陝西省西安市郊外の秦始皇帝陵の兵馬俑で17日、1人の女性が小さな子どもを抱いたまま保護柵を越えて兵馬俑の坑道に立ち入った動画がネット上で拡散され、大きな話題を呼んだ。動画では、兵馬俑の坑道に突入した女性に対して、周囲の観光客たちが「常識知らず」「ひどすぎる。何をやっているんだ」と非難していますが、女性は子どもを抱いたまま坑道に沿っていくつかの土盛りを越えて警備員の前まで行き、警備員に連れていかれた。
その後、記者が西安市臨潼区の管理部門に確認したところによると、事件当日、兵馬俑の周辺では雨が降っており、女性が抱いていた子どもは雨にぬれて熱が出て、けいれんを起こしていたということだ。管理部門の責任者は「当時、子どもが熱を出してけいれんを起こしてしまい、保護者はとても焦っていたが、1号坑には大勢の観光客がいてすぐには出られず、母親は慌てて保護柵を越えて坑道内に入った。館内の警備員がその場で事情を聞いたところ、子どもが病気という緊急事態のため、急いでその親子を館外へ誘導した」と説明した。
これに対し、多くのネットユーザーは母親の焦りややむを得ない状況に理解を示すと同時に、数千年にわたる貴重な文化財にもたらす潜在的な脅威についても心配しています。「ともかくも、一刻も早く子どもを助けたいと焦っていた母親の気持ちは理解できる」「苦しんでいる子どもと周囲の人混みを前にして、とっさに保護柵を乗り越える決断をしたんだね」「幸い、警備員がその状況に気づいて素早く行動し、その親子を館外へ誘導して子どもの治療を優先させた」「単純な違反行為に見えるけど、非常事態下での人間性と規則の葛藤と選択を反映している」と多くの書き込みが寄せられました。
この事件は改めて景勝地での緊急管理と人間性への配慮に対する人々の関心を呼び起こし、文化財の安全確保と観光客の実際の必要性や非常事態への対応を十分に考慮し、より完全な緊急対応メカニズムとサービスを確立するよう呼びかけている。
(中国経済新聞)