ファーウェイの常務取締役でスマートカーソリューションBUの会長である余承東(Yu Chengdong)氏は、6月14日に行われた中国自動車白書フォーラムで、「鴻蒙智行(HIMA)を搭載した30万元以下の車はみな赤字であり、売る度に損をしている。利益が出るのは30万元以上(約650万円以上)のもので、30万元(約650万円)がほぼ収支ラインだ。今のわれわれの平均価格は40万元(約868万円)に近い」と述べた。
データによると、ファーウェイのHIMAシリーズ車種は、2024年1月から6月9日までの販売台数が15.91万台で、新興の車種としてはトップであり、特に5月は3.05万台を納入した。
余会長は、「中国では30万元(約650万円以上)以上の乗用車はBBA(BMW、メルセデス・ベンツ、アウディ)を中心に年に300~400万台売れており、HIMAの 15万台は少ない方で、それもほぼBBAのような老舗の高級車から奪った分だ。これまで4万台だった月間の販売量は6月から5万台に伸びる」と述べている。
また余会長は、「現在売れている車の80%か90%以上が30万元(約650万円)以上のもので、30万元(約650万円)以下は少ない。よってファーウェイのBU、スマートカー、そしてパートナー各社が黒字化を果たした。ただし利益についてはBBAと比べて規模が少ないが、それでも成長や投資を続けられる」とも述べた。
余会長は「20万元(約430万円)以下の市場を狙うのはコスト対応力がついた時だ。今やると大損する。まだ力が備わっていない」と言った。
余会長は、「優れた企業は、サプライチェーンや部品それぞれを大量生産することでコストを抑えるものだが、われわれ(ファーウェイ)はまだその力がない。これに気づいてから徐々にレベルアップしている。インテリジェント化や末端BG To Cといったスキルなど、ハイテク面については強く、利用のしやすさの把握や製品デザインの掌握、品質の管理といった点も含めて、製品価値を大きくすることができる」という。「コストや価格の競争が嫌なのではなく、それだけの力がない、あるいはその力をつけている最中なので、価値を争うほかないのだ」と言った。
ファーウェイはこの2年間、余会長の辣腕によりスマートカーモデル「HIMA」を築き上げた上、自動車メーカー「Seres」、「奇瑞」、「江淮」、「北汽」の4社と手を組み、「問界」、「智界」、「享界」などの各車種を打ち出している。
(中国経済新聞)