トルコ政府は6月8日、7月7日から中国製の自動車に対して1台当たり40%、金額にして最低7000ドル(約110万円)の追加関税を課すと発表した。トルコ商務省によると、「経常赤字を抑え、国内生産分のシェアを拡大することが狙いだ」とのことである。
トルコは、2023年3月から中国製の電気自動車(EV)に40%の追加関税を課し、関税率を計50%としている。トルコ貿易省の規定で、輸入EVのメーカーはすべてトルコ国内に特約サービス店を140か所以上設置した上、各車種別にコールセンターを設けることが義務付けられている。中国から輸入される車はガソリン車が80%近くを占めているが、今回の追加関税策は全タイプの車種を対象としている。なおトルコでは、中国製自動車の販売量はさほど多くはないがこのところ急速に増えている。特にEVについては中国車種が市場シェアの半数近くになり、現地のメーカーを圧迫している。
トルコ初のEVメーカー・Toggは、EVを年間17.5万台生産するという目標に向けて、今後13年間で220億トルコリラ(約1067億円)を投資する予定である。トルコ政府は、国内産業を保護し貿易赤字を削減する形でToggなど地元企業を支え、国内での競争力や影響力を引き上げようとしている。