長城汽車、海外事業が成長し粗利率26%に

2024/04/9 07:30

中国の民間大手自動車メーカー「長城汽車」は第1四半期、販売台数が前年同期比25.11%増の27.5万台で、うち海外での販売分がほぼ3分の1の9.3万台であった。海外事業が利益の伸びを支える大きな力になっている。

2023年の年間決算は、売上高は前年比26.12%増の1732.1億元(約3.6兆円)、うち海外分が531.1億元(約1.11兆円)であり、営業外損益を除いた株主帰属の純利益は4.6%増の46.8億元(約978億円)である。この中で、粗利率について、全体で18.4%であるが海外事業は26%に達しており、国内自動車事業の15.5%を大きく上回っている。

長城汽車は、河北省保定市、天津市、重慶市、江蘇省泰州市、浙江省平湖市、山東省日照市、湖北省荊門市、および「ロシア・トゥーラ州ウズロヴァヤ工業団地」の計8工場の2023年稼働率が81.02%であり、このうちロシアの工場は100%以上である。海外展開として2014年から主なターゲット国で子会社を設立したほか、2022年末にはベトナム、ブラジル、インドネシアなどへの「エコロジー進出」計画を発表している。

中国で激しい競争や価格戦を続けている長城汽車は、他の国内メーカー同様に海外進出を加速させる形で構造改革を進めている。2023年から製品や組織構成の見直しを始め、年後半には複数の新エネ車を打ち出した。新エネ車BYDや吉利ほど普及してはいないが、製品構成はある程度改善した。2023年は1台当たりの売上額が前年比1.2万元(約25.1万円)増の14.1万元(約295万円)となり、高級車の販売割合が増え、利益の確保につながっている。

長城汽車はまた、国産ブランドのSUVについて以前からトップを走っており、マーケットの変化とともにハヴァル、WEY、ORA、Tank、Poerと5つのブランドを有するメーカーになった。このような形でマーケットシェアの拡大を図っており、大衆車と高級車という2つの市場に焦点を当てた「車海戦術」を講じている。また2024年は、PHEV(プラグインハイブリッド)とEVにも力を入れて新型車種を打ち出す予定であり、販売台数190万台、純利益72億元(約1505億円)との目標を掲げている。

(中国経済新聞)