中国の2024年1~10月の自動車販売台数は、2023年同期より2・7%増えて2462万台であり、うち新エネ車は33・9%増の975万台で、全販売数の39・6%を占めた。また輸出は23・8%増えて485万台であった。
これは中国自動車工業協会が11月11日に発表した最新のデータである。同協会によると、政府の下取り政策を受けて販売数が増えており、メーカー側も新しい車種を次々と打ち出しているという。
ただ、こうした好調の背後で、業界全体が二つの問題に直面している。
一つ目は新エネ車のメーカーが利益を出せないことで、生産1台につき赤字額が20~30%に達している。シャオミは1台売るごとに6万元(約120万円)、蔚来(NIO)は同じく平均で8・8万元(約190万円)、小鵬(Xiaopeng)は5・3万元(115万円)の損失を計上している。
もう一つは、ガソリン車を中心とする大手メーカーが存続も危ぶまれるほど深刻な赤字を抱えていることである。上海汽車は2024年第2四半期に11億元(約238億円)、広州汽車は第3四半期に14億元(約300億円)の赤字を計上した。
こうした事実から、一見好調に見える中国の自動車産業だが、大多数の企業は利益を出せない状態であるという大きな問題が見えてくる。
蔚来(NIO)は中国のEV新興メーカーの中でも注目株であったが、2014年の設立から8年間で計860億元(1兆8410億円)の赤字を生んでいる。