病院がニセの出生証明を販売 衛生健康委員会が発表

2023/11/9 20:30

11月6日、湖北省襄陽市の健橋病院で出生証明が売買されているとインターネット上で告発された。1年以上かけて覆面調査をした結果、病院の葉有芝院長が各地の仲介業者と結託してSNSで出生などの証明書類発行をPRし、客を物色して出生証明やワクチン接種証明を売っていたとのことである。

子どもの誘拐防止に取り組むボランティア「上官正義」は2年余り調査した末、この病院が出生証明を販売していることを突き止めた。調査時の動画が公開され、関心が寄せられている。

この動画によると、「上官正義」は2023年11月6日に改めて病院を訪れ、出生証明を手にした職員が身振りで「代金と引き換えで渡す」と示した。

仲介業者は「出生証明は一部96000元(約199万円)」と言った。金を払ったのち、病院側は産婦でもないのに病院での登録・検査・入院・分娩・退院などといった出産までのトータルな情報を偽造発行した。さらに「出産」の2日後に退院し、「買ってきた子供」を再び病院に連れていき、足底採血(新生児は足の裏から採血する)をし、出生証明を発行した。ここまで長くても7日間で完了する。また病院は中国全土共通のワクチン接種証明を発行し、本物の新生児と同じ形でB型肝炎やBCGの接種記録やその日付、ワクチンの製造会社およびロット番号を印刷する。

「上官正義」は証明書を受け取った後、葉院長と仲介業者に自首するよう何度も勧めた。葉院長は「上官正義」との面会を強く求め、仲介業者は「許してくれ」と言った。

「上官正義」は、「出生医学証明がなければ戸籍が取得できない。出生証明は違法な子供の売買組織における重要な部分だ」と述べている。

襄陽市衛生健康委員で共産党グループの趙旭書記は11月6日夜、捜査当局が警察より先に病院に行き、問題のあった診療科の入り口の監視カメラを押収し、複数のパソコンの保存内容を調査したと述べた。その後警察が駆け付けて共同で調査をし、葉院長は夜に公安当局に連行された。

商工情報によると、この病院は私立病院で資本金は875万元(約1.81億円)、このうち葉院長の持ち株率が80%である。2018年から2020年にかけて7件の行政処分を受けている。

(中国経済新聞)