「いい日旅立ち」や「昴-すばる-」など数々の名曲を世に生み出したシンガー・ソングライターの谷村新司さんが10月8日に亡くなったことが16日、分かった。74歳だった。谷村さんの訃報を受け、長年交流のあった中国でも悼む声が相次いでいる。
中国外務省の毛寧副報道局長は16日の定例会見で「死去された谷村さんに哀悼の意を表します」と述べた。また中国紙『環球時報』は「日本音楽会の人間国宝として知られ、彼の歌は中国国民にも深く愛されている。『昴』、『花』、『浪漫鉄道』などがさまざまな国の言葉に翻訳され、テレサ・テン、レスリー・チャンなど中華圏でも幅広くカバーされてきた」と紹介した。
谷村さんが中国との繋がりを持ったのは1981年。フォークグループ「アリス」のメンバーとして北京の工人体育館で初のコンサートを開いた時から始まる。2日間で約2万人が足を運び、当時の最高指導者だった鄧小平氏も会場から大きな拍手を送った。
2004年には、外国人で初となる上海音楽学院の教授に就任。毎月のように上海を訪れ音楽を通して人材育成に取り組んだ。2010年に開催された上海万博では、アジアの代表として開会式に参加し「昴」を熱唱した。
中国のネット上では「あなたの歌声は私たちの心に生き続けます」、「昴が私の初めて歌えるようになった日本の歌です」、「谷村さんの歌が大好きでした」、「友好のために尽力されていた方だけに大変残念です」など数多くのメッセージが寄せられている。
(中国経済新聞)