中国で、各通販サイトがインスタントリテール(即時配達)への取り組みとして販売店に「接近」する動きを見せている。
「美団閃購」は9月14日、店側を相手に、アクセス量、商品力、経営モデル、営業力、デジタル化システム、都市部スタッフという7つのプラットフォームを打ち出すと表明した。アクセスの10%増量といったものである。
また「京東到家」は9月7日、新システム「宏図」を発表した上、「2024年に10品目以上で販売額を10億元(約203億円)以上とする」といったメーカー向けの「ダブル百億品目計画」発表した。
これら2社のほか、アリババ系のインスタントリテール事業者も動きを見せている。「餓了麼」は6月に行われた「2023夏季販売店大会」で、店側の事業改革をよりサポートしビジネスプランを支えると表明したほか、「盒馬」は8月3日に、ディズニー中国とのコラボにより年内に国内でシリーズのテーマ商品を売り出すと発表した。
さらに、最近はプラットフォーム側もサービス向上へしのぎを削っており、発売間近のiPhone15については「1時間で配達」などとのキャッチコピーが相次ぎ出されている。
「盒馬」は、同時発売されるiPhone15シリーズについて、Appで注文後、最速 18 分間で配達すると発表した。また「美団」は発売当日に、中国各地のデリバリースタッフが届け先最寄りの店に配達し、最速30分で手に入ると発表した。「京東到家」も発売後に1時間以内で自宅まで届けると表明している。「餓了麼」は「9月22日、APPでiPhone 15を注文、在庫あり」と発表している。
インスタントリテールへの取り組みが強まっている理由について、通販業界の専門家で百連諮詢の創業者である荘帥氏は、「11月11日の独身の日セールを前に、実店舗側のインスタントリテールと結びつけ、対象者層を広げることができる(地方都市など)上、通販サイト側での承諾時のコストを削減し効率アップを果たすことができる。また、インスタントリテールは今、陣地を急速に拡大する時期にあり、美団や京東など主力の通販事業者にとっては、資本市場および社内スタッフのやる気や自信を刺激する上で急成長させなければならない分野だ」と述べている。
(中国経済新聞)