放置された臨時医院の後処理は

2023/09/3 08:30

海南省で先ごろ行われた全人代常務委員会で、同省会計監査庁の劉勁松庁長が、「2022年の新型コロナウイルス対策予算の執行状況について監査した結果、感染対策用の物資や設備の管理が不徹底といった問題がある」と指摘した。

劉庁長によると、臨時医院(注*)9か所を撤去した際に発生した設備や資材が野積みされて使えなくなってしまったほか、5つの市や県で合計5586か所、金額にして3.70億元相当の隔離施設が放置され、ある県ではそれらに備え付けられたエアコン196台とテレビが所在不明となっている。さらに9つの市や県でPCR検査所計665か所、金額にして2938.04万元相当分が放置され、12の市や県で期限切れまたは期限間近の感染対策物資が6124.53万元分に達している。

現存する臨時医院のほとんどはプレハブで、2022年11月ごろに一気に建設されたものであるが、感染対策の方針が変わったため、完成してから一度も利用されず「置き去り」にされたものもある。

新華社の海南チャンネルによると、臨高県では面積およそ100ムーの集中隔離場所にコンテナ式の施設が1200か所作られた。このうち200か所が医療用として1000人の収容が可能であり、医療室、会議室、配膳室なども設けられ、すべての部屋にエアコン、給湯器、ユニットバス、無線LAN、寝具一式が備わっていた。

臨高県金牌港にある臨時医院は、コロナ対応でできるだけ多くの感染者を治療するために作られたものだったが、実際には利用開始直後に対応方針が変わり、使われなくなってしまった。

こうした施設の後始末を迫られている地元政府は今、法律面および国有資産の損失という問題が重くのしかかっている。

*臨時医院:中国語の「方舱医院」ことを指す。中国語の「方舱医院」はもともと軍隊においてコンテナを使用した野戦病院を指している。コロナの間、各地では既存の大型施設内に設営されていることもあるので、読者の誤解を避けるため、「臨時医院」や「臨時医療施設」の訳を使用している。

(中国経済新聞)