国営新華社通信は7月25日、中国全国人民代表大会常務委員会が秦剛外相を解任し、後任に外交トップで前外相の王毅政治局員を任命したと発表した。交代についての理由は明らかにされていない。
秦剛氏は、先月25日に北京でベトナム、スリランカの外相やロシアの外務次官と会談したのを最後に動静が途絶えていた。中国外務省の汪文斌報道官は今月11日の記者会見で、秦氏が公の場に姿を表さないことについて「健康上の理由」と公表したが、「すでに関連する状況は紹介した。提供できる情報はない」と詳細は明らかにしていなかった。
秦氏は、1966年生まれの57歳。北京にある国際関係学院で国際政治を学び、20歳の時に中国共産党に入党。大学卒業後は、中国外交部(外務省)へ入り、イギリス大使館で長年勤務するなど、主にヨーロッパを中心に担当してきた。その後、8年半にわたり外務省報道官を務め、2021年に駐米中国大使となり、2022年12月には政治局委員に昇格した王毅氏の後任として外相に任命されるという異例のスピード出世を果たしていた。
この1ヶ月、世界中のメディアが秦氏の去就に注目しており、健康不安説や女性問題などさまざまな憶測が飛び交っていた。
(中国経済新聞)