ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で経済学専門の金刻羽(Keyu Jin)教授は、中国の経済成長率について、今年は5%前後に達し、さらに数年間そのレベルを維持すると見ている。諸外国ではまず実現不可能なものであるという。
これは世界経済フォーラム(WEF)第14回ニュー・チャンピオン年次総会における発言である。金教授はさらに、「中国はまた、地政学や各国の経済情勢などによりイノベーションコストが増大しているという現実を直視しなければならない」とも指摘した。
金教授は、「中国は今、工業化からイノベーション駆動の経済成長への改革段階にあるが、イノベーションを基盤とした成長はさほど速くはない。今はまだ様々な改革が必要であり、投資イノベーションやハードテクノロジーはいいことではあるが、これでサービス業頼みの中国に十分な雇用を生むものではない」と述べた。
金教授は中国経済について、サービス業を開放していかないとイノベーション基盤の成長に変えていくことはできないと見ている。現段階では、外国企業の中国進出に対する自信を与えるべく、市場政策の透明性を維持し、国際資本市場との意思疎通を拡大していくようにと提案している。
「言うまでもなく中国は外国からの投資がさらに必要」と金教授は言う。開放や改革を一段と進めることが現在の経済の行き詰まりを克服する唯一の策であるとし、このためサービス業はさらに改革が必要である。また海外の株式市場や債券市場、資本市場との結びつきを図るべく、政策面で改善の余地があると見なしている。
(中国経済新聞)