中国国家金融監督管理総局は、銀行、保険、信託会社、および個人を対象に、省の本社級で計64件、および支店級で計21件、合計85件の罰金制裁を一度に発表した。このうち銀行については、民生銀行重慶支店と北京銀行に対し約1000万元(約2億円)以上、中国銀行上海人民元取引業務本部、興業銀行資金運営センター、広発銀行武漢支店、スタンダードチャータード銀行上海支店などに対して100万元(約2000万円)以上の制裁金を課している。
この中で、不動産事業における不正が制裁の主な理由になっており、不動産貸付における管理の問題や個人の貸付資金の不動産流用といった問題を起こす銀行が現れている。
このところ、監視が強まっている銀行業界に対する制裁の発表件数が増えている。プライスウオーターハウスによると、中国銀行保険監督管理委員会及びその出先機関は今年第一四半期、銀行325社を対象に計1283件の制裁を発表した。制裁金の総額は去年の同じ時期より53.46%も増えて 7億3380万元(約146億円)に達している。
中国国家金融監督管理総局は、中国銀行保険監督管理委員会を元にして国務院の直属機関として2023年5月に設立され、銀行や保険業界などの監督や管理に従事している。なおその際に、中国銀行保険監督管理委員会は廃止されている。
(中国経済新聞)