香港、2023年のGDP成長率は3.5%ないし5.5%か

2023/05/15 20:31

香港政府は5月12日、2023年第一四半期の経済動向および2023年1年間のGDPや物価の最新予測を発表した。

2023年第一四半期の香港経済は、インバウンドや現地の急速な需要回復を受け、生産額は年率換算で2.7%のプラスであった。前の四半期より4.1%減少したが、季節による変動要因を除くと実質5.3%プラスとなっている。

貨物輸出については、諸外国のマイナス要因を受けて年率換算で実質18.7%ものダウンとなった。陸路による中国本土との輸送制限の撤廃というプラス要因もあったが、中国、アメリカ、EU向けの輸出が引き続き伸び悩んだ。一方でサービスの輸出は、中国本土および世界各地との往来が回復したことで観光業で6倍以上になるなど、16.5%のプラスであった。輸送サービスは緩やかな上昇を示し、ビジネスその他のサービスは微増であったが、金融サービスはマイナスであった。

今後について、貨物の輸出は先進国の成長鈍化で引き続き需要が伸びずマイナス面が大きいと見られる。中国本土の経済の急速な回復というプラス要因もあるが、このところ欧米で銀行業が傾き、グローバル経済の先行きに不透明感が広がっている。

こうした第一四半期の実績や上記の様々な要因を踏まえ、2023年1年間のGDP実質成長率予測値は、「財政予算案」で示された通り3.5%ないし5.5%となっている。現在の経済回復の勢いが続くとすれば高い方の数字に近づくであろう。香港政府としては状況を注視していく。

(中国経済新聞)