広東省、5年連続で出生率1位を記録

2023/04/3 23:40

中国の各省が発表した2022年統計公報によると、広東省の出生数は105万2千人で、5年連続で全国1位となった。

広東省は中国で唯一100万人を超える出生数を誇り、全国における居住人口の8.9%、出生数の11%を占めている。また全国で最も人口が増加している省で、2022年の自然増減数は42万2千人で、全国平均を大きく上回った。

山東省、河南省、江蘇省、四川省は、国の人口TOP5にも入っており、2022年の出生数は山東省が68万2000人、河南省が73万3000人、江蘇省が44万5000人、四川省が53万5000人となっている。

データによると、長江デルタ地域の江蘇省、浙江省、上海市の総人口は1億7600万人で、広東省の1.4倍だが、出生数の合計は96万5000人に過ぎず、広東省を下回っている。

出生率を見ると、2022年に広東省の出生率は8.3‰に達しており、長江デルタ全体で最も出生率の高い安徽省でも7.16‰、江蘇省と上海市では更に低い5.23‰と4.35‰となった。

なぜ広東省は出生率が高いのか?

改革開放以降、広東省が中国最大の経済省、中国第一の工業都市となったことで、地方から多くの人が入ってくるようになった。

地方からの大半が若者で、人口を増加させると同時に広東省独自の人口構造を維持することに繋がった。第7回国勢調査(人口普査)のデータによると、広東省の外来人口は2962万人で、総人口の約4分の1を占めている。またその中でも深圳市と東莞(Dongguan)市は、高齢化率が4%未満と全国で最も若い都市で、都市全体がほぼ若者で埋め尽くされ経済発展に大きな活力をもたらしている。

若者の流入は、広東省の少子化を抑制しただけでなく、広東省が全国で財政移転と年金納付率で1位となるきっかけをつくった。

今年に入ってから最大の不安要素であった新型コロナウイルスが収束し、経済活動が再開されたことで、多くの人が広東省に戻り始めた。広東省は2ヶ月連続で人口流入量が1位を記録し、年末までは大きな人口増加が見込まれている。

広東省で出生率が高い都市は、潮汕地区(潮州市と汕頭市)、珠江デルタ地域、粤西地域に集中している。深圳市などで出生率が高いのは、主に若い外来人口の貢献によるところが大きい。

珠江デルタ地域は、世界の工場や1兆円都市が最も集中している地域で、外来人口が最も多く若者の割合も高い。

広東省は人口規模が大きく、多くの外来人口を抱え、高い出生率を誇っており、今後も全国第一位の人口と、出生率を維持すると見込まれている。

(中国経済新聞)